伊藤君子 with 宮本貴奈
伊藤君子(Kimiko Itoh): ヴォーカル
香川県小豆島生まれ。 4歳の時、ラジオから流れる美空ひばりの歌声に魅せられ、歌手を目指す。 1982年、 アルバム「バードランド(THE BIRDLAND)」でレコード・デビュー。 その後、ニューヨークのジャズクラブへの出演、 また、日野皓正グループをはじめとする日本の本格派ジャズグループとの共演で、 その歌唱力は国内外で高く評価された。
ソニー・ミュージックより、1989年、日米同時発売されたアルバム「フォロー・ミー(FOLLOW ME)」は、米ラジオ&レコード誌のコンテンポラリー・ジャズ部門の16位にチャート・インするという日本人女性ヴォーカリストとして初の快挙を成し遂げた。 ジャズ・ヴォーカリストとして確固たる地位を築いた伊藤君子は、 以降、 アルバム、 コンサート、海外のジャズフェスティバル(1997年、世界で最大のジャズ・フェスティバルである、スイス・モントルー・ジャズ・フェスティバルに小曽根真と共に出演)、 テレビ・ラジオ番組、 ライブハウス、と幅広い演奏活動を続け、スイングジャーナル誌の人気投票では1988~96年の女性ヴォーカリスト部門第1位を獲得した。
2000年に発売されたニューヨークでのスタジオ・レコーディング・アルバム「KIMIKO」は、プロデューサーに小曽根真を迎え、ヴォーカリストとしての伊藤君子の魅力を存分に引き出したものと評価され、スイングジャーナル誌2000年度ジャズディスク大賞日本ヴォーカル賞を受賞した。 2004年には、再度、小曽根真をプロデューサーに迎え、ビッグ・バンド(ノー・ネーム・ホーセズ)との共演アルバム「一度恋をしたら」を発表、更に、同年、押井守監督の映画『イノセンス』の主題歌を、2007年には津軽弁でジャズを歌ったミニ・アルバム「津軽弁ジャズ~ジャズだが?ジャズだじゃ!」を発表するなど、新しい挑戦を続けている。
2010年10月には6年振りのアルバムとなる「まっかなおひるね」が発売となった。これは同年2月にベルリンで録音されたもので、ベルリン在住のピアニスト、高瀬アキとのコラボレーション・アルバムで、全篇日本語の歌詞によるもので、芥川賞作家:多和田葉子、伝説的なビート詩人:白石かずこの詩に高瀬アキが曲を書き下ろした意欲作となっている。録音後、高瀬アキ、井野信義と共にパリ、ローマ、セネガルとコンサート・ツアーを行った。なお、「まっかなおひるね」のジャケットには世界的なポップアート作家、奈良美智の絵が使われている。更に、2015年10月、津軽弁によるジャズの第2弾「ジャズだべ!ジャズださ!」を発売、ゲストに佐藤竹善(シング・ライク・トーキング)、上妻宏光(津軽三味線)を迎えた。
そして、幼少の頃、ラジオから流れる美空ひばりの歌声に憧れ、歌手を志した伊藤君子が、美空ひばり生誕80周年にあたる2017年の5月29日(美空ひばりの誕生日)に日本コロムビアより「Kimiko Sings HIBARI」が発売される(予定)。
宮本貴奈:ピアノ
米ボストンのバークリー音楽大学の映像音楽科、ジャズ作曲科を卒業。ジョージア州立大学のジャズ教育学修士課程卒業。ボストン、ニューヨーク、アトランタ、ロンドンに19年間滞在、北南米、ヨーロッパ、アジア、アフリカなど世界25か国で活動を展開、2013年より、しばらくの間、活動の拠点を日本に置いている。
全米エドマン・ジャズ・ピアノ大会優勝、歌手、ニーナ・フリーロンのワールド・ツアーに5年間にわたって参加、ピアノ・編曲・音楽監督を担当した彼女のアルバム「Soulcall」は2001年のグラミー賞の2部門にノミネートされた。他にも、レネ・マリーなど著名アーティストとの共演を重ねる一方、ビル・エヴァンス・トリオのドラマーであったマーティ・モレルと「エヴァンス・トリビュート・プロジェクト」を展開、サックス奏者であり、グラミー賞にも度々ノミネートされる、カーク・ウェイラムとの共同プロデュース・アルバム「Promises・Made」はビルボードのチャートの5位にランクされた。最も影響力のあった女性アーティストに授与される「アトランタ・ベスト・ジャズ・アクト」を2年連続で受賞している。
日本ではTOKU、中西圭三、狩野泰一、ギラ・ジルカなどと共演、サウンド・プロデュース、編曲を担当する一方、「種まく旅人」、「ふるさとかえり」などの映画音楽、TVのテーマ音楽、演劇のための音楽なども手掛けている。現在、最も多忙なミュージシャンの一人である。